コープ共済連は、2017年より青森県生協連とともに、弘前大学COI*1に参画しています。COIプログラムが終了した後、2022年10月から弘前大学はCOI-NEXT*2に拠点採択され多くの参画企業とともに先進的な研究や取り組みを進めており、当会も引き続き参画しています。
- *1COI:センター・オブ・イノベーションの略。文部科学省・国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)により2013年度から9年間実施されたビジョン主導型のチャレンジング・ハイリスクな研究開発を支援するプログラム。
- *2COI-NEXT:文部科学省・国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)により実施されている「共創の場形成支援プログラム」。
- 岩木健康増進プロジェクト健診とは
- 弘前大学が、岩木地区の住民を対象に19年間取り組んでいる大規模な健康診断です。行政とも連携し毎年、希望者約1,000名を対象に、約50ブース、3,000項目の様々な健診をおこなっています。そこで集まる健康データは、他には類例のない貴重なビッグデータとして様々な研究に活用されています。
岩木健康増進プロジェクト健診視察
日時: | 2023年6月3日(土)8:30~10:30 |
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会場: | 岩木文化センターあそべーる・中央公民館岩木館(2棟貸し切り) |
参加者 (8名) |
青森県生協連 菅原代表理事会長・三浦専務理事、 弘前大学生協 上遠野専務理事 弘前大学生協食堂店 小川副店長 日本生協連 組織推進本部 本木本部長 社会・地域活動推進部 地域コミュニティグループ 前田グループマネージャー コープ共済連 和田代表理事理事長・組合員参加推進部 田中 |
岩木健康増進プロジェクト健診は今年で19年目。市と連携した複合健診と、その他様々な健康データを集めることができる健診をおこなっています。例えば、便の検査も一般的には大腸がん検査ですが、腸内細菌データを取得したり、口腔検査では、虫歯、歯周病だけではなく、唾液や舌苔等も調べます。頭から四肢までの様々な全身データを集めることによりそれぞれのデータの相関の研究もすすんでいるようです(例 嗅覚と認知症の関係など)。
◀プロジェクト顧問の弘前大学大学院医学研究科 特任教授 中路重之先生より、視察前の説明を受けている様子
今年は全部で49ブースで健診を実施。受診者1人あたり3時間以上かかります。視察では一つひとつのブースを回りました。参画企業のブースでは普段の健診ではなかなか測れない項目がたくさんあり、興味深いものでした。
参画企業:製薬会社 食品メーカー 保険会社 化粧品会社 自動車メーカー 広告会社等、業態は実に様々!
- 頭皮の検査…毛根の形・嗅覚・味覚・皮膚年齢(測定後のメイクアップ付)
- 冷え測定・ベジチェック・10メートル歩行・立ち上がりテスト 等々
各参画企業が持ち寄ったお土産です。かなりの重量感。
当会もコーすけ絆創膏を提供しました。
受診される皆さんは毎年このお土産を楽しみにされているようです。
参画企業、地域住民(生協組合員含む)のボランティア、学生等のスタッフの皆さんを含め、1日あたり200名を超える方が活動していることも驚きでした。住民、大学、企業、行政が一体となった地域ぐるみの取り組みとしても学びの多い視察でした。
コープ共済連 和田理事長より
この健診は、普段保健所がおこなっている健康診断のレベルではなく、49のブースで約3,000の健診項目があり、かなり詳細なデータ把握となっている。ここで集めたデータを解析することで、健康状態と疾病などの関連を解明していく。野菜不足で起こる疾病とは?塩分の取りすぎで発症する疾病とは?認知症とデータの関連は?等、あらゆる角度から解析される。このような地域住民を巻き込んだ大規模な健診データ収集は他に類例を見ない。
青森県生協連は、弘前大学COI(現在はCOI-NEXT)と連携し「あおもりまるごと健康チャレンジ」に取り組み、これからQOL*健診(生協版)(ベジチェック、血圧、ロコモ検査など)などに取り組もうとしている。QOL健診(生協版)の健診項目は、代表的なものでかつ誰でも比較的測定が難しくないものを選び実施し、ロコモ度、健康状態などに関心を持ってもらう。このQOL健診(生協版)を広げることの意義は大きいと考えている。
- *QOL:クオリティ オブ ライフ
作成・文責:コープ共済連 総合マネジメント本部 組合員参加推進部 田中美樹(2023年6月)